困っていること、知りたいこと
転職エージェントから、yappli(ヤプリ)をおすすめされたけど、あまりよく知らない!
SaaSベンチャーのyappli(ヤプリ)への転職を考えている、興味があるけど、もっと詳しいことを知りたい!
こんな疑問を持っている人のお悩みにお答えします!
今回は、転職市場で人気の高まっているSaaSベンチャーのyappli(ヤプリ)について知りたい、転職を考えているあなたに、
■本記事の内容
・SaaSベンチャーのyappli(ヤプリ)の概要
・yappli(ヤプリ)の2021年第1四半期の決算情報について(2021年5月)
・yappli(ヤプリ)の2021年第2四半期の決算情報について(2021年8月)
・yappli(ヤプリ)の2021年第3四半期の決算情報について(2021年11月)
・yappli(ヤプリ)の2021年第3四半期の決算情報について(2022年2月)
・最近の決算情報から読み取れるyappli(ヤプリ)の戦略についての考察
を、わかりやすく解説していきたいと思います。
転職活動において、以下のことを把握・理解することは、入社後の活躍だけではなく、面接での印象などを左右する要素でもあるため、非常に重要な要素です。
①会社の現在の業績
②会社の今後の戦略・方針
③会社の事業のビジネスモデル
本記事は、yappli(ヤプリ)の業績の要点を抜粋して、時系列で決算情報を簡単に確認することができ、今後の戦略も解説しています。
- 1. SaaSベンチャー:yappli(ヤプリ)の概要
- 2. yappli(ヤプリ)の2021年第1四半期の決算情報
- 3. yappli(ヤプリ)の2021年第2四半期の決算情報
- 4. yappli(ヤプリ)の2021年第3四半期の決算情報
- 5. yappli(ヤプリ)の2021年第4四半期の決算情報
- 6. 最近の決算情報から読み取れるyappli(ヤプリ)の戦略についての考察
- 7. まとめ
SaaSベンチャー:yappli(ヤプリ)の概要
yappli(ヤプリ)概要
yappli(ヤプリ)は、2013年2月に、ヤフー株式会社やシティバンクのマーケティングマネージャーを歴任した庵原 保文氏、同じくヤフー株式会社出身の佐野 将史氏、ライブドア株式会社を経てヤフー株式会社の制作職リーダーを歴任した、黒田 真澄氏の3名によって設立されました。
yappli(ヤプリ)の沿革
yappli(ヤプリ)の主な会社の沿革は以下のようになっています。
・2013年2月:ファストメディア株式会社を設立、アプリ運営プラットフォーム「Yappli システム」をリリース
・2013年8月:ヤフー社によるサービス「Yahoo! アプリエンジン」へYappliをOEM提供
・2017年3月:効果測定・分析ツールAppsFlyerを採用し 「Yappli集客支援サービス」を開始
・2017年4月:社名を株式会社ヤプリに変更
・2019年3月:GMO TECH株式会社が提供する「GMOアップカプセル」事業を譲受
・2020年1月:東京証券取引所マザーズに株式を上場
yappli(ヤプリ)の事業領域やビジネスモデル
yappli(ヤプリ)は、アプリ開発・運用・分析をノーコードで提供するアプリプラットフォームで、以下の3つの用途で利用されているSaaSのビジネスモデルのサービスです。
■Yappli for Marketing:店舗やECの顧客体験をスマートフォンアプリで向上させるサービス
・店舗/オムニチャネル用途:アプリであらゆるチャネルを統合して、シームレスな顧客体験を提供
・EC用途:より便利で快適なショッピングにポイント、クーポン、スタンプなど、強力な機能群が、アプリひとつで思いのまま
・メディア用途:ウェブ記事をそのまま配信することも、一から記事を書くことも、動画、ポッドキャスト、電子書籍など多彩な表現でコンテンツを配信
■Yappli for Business:販売店や取引先とのコミュニケーションを自社アプリで刷新
■Yappli for Company:スマートフォンアプリで”社内の現場で起きている非効率”を解決するサービスで、商品や研修内容、社内報等の情報を従業員や取引先に向けて自社アプリで発信。
yappli(ヤプリ)のビジネスモデルは月額利用料を主とするサブスクリプションモデル(SaaSモデル)となっています。
yappli(ヤプリ)がYappliが捕捉する可能性のある市場規模の最大値は、3.8兆円という推定をしており、Serviceable Available Market(SAM)は、約1000億円を見込んでいます。
yappli(ヤプリ)の競合優位性は、2013年より累計約40億円1の成長資金を投下したプロダクトとビジネスモデルの強化と定義されています。
yappli(ヤプリ)の2021年第1四半期の決算情報
それでは、yappli(ヤプリ)の2021年第1四半期の決算情報から見てみたいと思います。
yappli(ヤプリ)の2021年第1四半期の全体業績
業績ですが、売上高は約7.1億円で、YoYで31.5%、QoQで3.1%の成長となっております。
また、営業利益は約-1.0億円となっており、 売上高は増収、利益は増益を達成、売上総利益率は69.8%と対前年+16.5pt改善しています。
ARRは、23.4億円に到達し、YoYで36.9%成長となっており、着実に成長を継続しています。
yappli(ヤプリ)の重要な事業KPIは以下のようになっています。
・契約アプリ数:583社(YoY:25.6%成長)
・平均月額利用料:33.4万円(12.4%成長)
どのKPIも堅調に推移していますが、FY2018以降拡大を継続しています。
yappli(ヤプリ)の重要な事業KPIである、売上に対する費用の比率ですが、S&MはQ4から一服、R&Dは研究開発強化により比率増加となっており、各数値は以下のようになっています。
・S&M :50.2%
※販売促進に係る広告宣伝費やセールス、マーケティング人員の人件費や関連する経費及び共通費等を合計
・G&A:17.8%
※コーポレート部門の人件費や関連する経費及び共通費等を合計
・R&D:16.3%
※研究開発に係るエンジニアの人件費や関連する経費及び共通費等を合計
yappli(ヤプリ)の重要な事業KPIである、解約率ですが、0.98%となっており、顧客数、単価が拡大している中でも、1%未満の解約率を維持しています。
yappli(ヤプリ)の2021年第1四半期の事業トピック
yappli(ヤプリ)の事業トピックは、Yappli Data Hubの本格導入開始です。
これにより、セグメント条件に合致する ユーザーを抽出し、 プッシュ配信が行ったりすることができます。
yappli(ヤプリ)の2021年第2四半期の決算情報
それでは、上記の決算情報を踏まえて、yappli(ヤプリ)の2021年第2四半期の決算情報を見てみたいと思います。
yappli(ヤプリ)の2021年第2四半期の全体業績
業績ですが、売上高は約7.6億円で、YoYで42.1%、QoQで8.1%の成長となっております。
また、営業利益は約-3.3億円となっており、 要因は営業利益はTVCMへの投資のためです。
ARRは、25.4億円に到達し、YoYで38.1%成長となっており、着実に成長を継続しています。
yappli(ヤプリ)の重要な事業KPIは以下のようになっています。
・契約アプリ数:610社(YoY:24.0%成長)
・平均月額利用料:34.6万円(13.6%成長)
どのKPIも堅調に推移していますが、FY2018以降拡大を継続しています。
yappli(ヤプリ)の重要な事業KPIである、売上に対する費用の比率ですが、TVCM含むマスマーケの実施により増加、R&D比率は引き続き維持しており、各数値は以下のようになっています。
・S&M :76.4%
※販売促進に係る広告宣伝費やセールス、マーケティング人員の人件費や関連する経費及び共通費等を合計
・G&A:20.0%
※コーポレート部門の人件費や関連する経費及び共通費等を合計
・R&D:17.7%
※研究開発に係るエンジニアの人件費や関連する経費及び共通費等を合計
yappli(ヤプリ)の重要な事業KPIである、解約率ですが、0.87%となっており、顧客数、単価が拡大している中でも、1%未満の解約率を維持しています。
yappli(ヤプリ)の2021年第2四半期の事業トピック
yappli(ヤプリ)の事業トピックは、プロダクトアップデートです。
2Qは継続して新機能と既存機能の改善でLTVの最大化にフォーカスしており、以下のような機能をリリースしています。
■各ソリューションの機能強化
・スタンプ機能:特典マス到達後のテキストが変更可能に。
・チェックイン機能
・カウントダウン型クーポン:利用期限に「終了日時まで」を追加
・電子書籍機能PDFアップロード
■プラットフォーム機能の強化
・リッチプッシュリリース
・スナップショット タイトル設定
・時間指定出し分け
・インフィードエンベッド動画:ループ再生を制御可能に
yappli(ヤプリ)の2021年第3四半期の決算情報
それでは、上記の決算情報を踏まえて、yappli(ヤプリ)の2021年第3四半期の決算情報を見てみたいと思います。
yappli(ヤプリ)の2021年第3四半期の全体業績
業績ですが、売上高は約8.5億円で、YoYで34.8%、QoQで8.7%の成長となっております。
また、営業利益は約-1.9億円となっています。
ARRは、26.5億円に到達し、YoYで29.3%成長となっており、着実に成長を継続しています。
yappli(ヤプリ)の重要な事業KPIは以下のようになっています。
・契約アプリ数:644社(YoY:22.2%成長)
・平均月額利用料:34.2万円(10.0%成長)
どのKPIも堅調に推移していますが、FY2018以降拡大を継続しています。
yappli(ヤプリ)の重要な事業KPIである、売上に対する費用の比率ですが、マーケ投資額に連動、R&D比率は新プロダクトの開発により微増しており、各数値は以下のようになっています。
・S&M :52.3%
※販売促進に係る広告宣伝費やセールス、マーケティング人員の人件費や関連する経費及び共通費等を合計
・G&A:20.2%
※コーポレート部門の人件費や関連する経費及び共通費等を合計
・R&D:18.7%
※研究開発に係るエンジニアの人件費や関連する経費及び共通費等を合計
yappli(ヤプリ)の重要な事業KPIである、解約率ですが、0.82%となっており、解約率の悪化は一服し、0.8%台前半に改善しています。
yappli(ヤプリ)の2021年第3四半期の事業トピック
yappli(ヤプリ)の事業トピックは、創業以来初の新製品を開始するなどアプリの活用を広げる取り組みへの注力です。
■CRM事業を開始(新製品のローンチ)
・顧客管理、ポイント・電子マネーの発行、 アプリマーケティング施策をワンストップで 実現する「Yappli CRM」をリリース。
■ヤプリ初の書籍を出版(アプリ市場の拡大)
・マーケティング担当者に向けた アプリ活用の入門書 「マーケターのためのアプリの教科書」を出版。
■Yappli Summit 2021を開催(アプリ活用の促進)
・お客様の成功事例を紹介、 また、Yappliの新機能や 今後の開発ロードマップ等を発表。
yappli(ヤプリ)の2021年第4四半期の決算情報
それでは、上記の決算情報を踏まえて、yappli(ヤプリ)の2021年第4四半期の決算情報を見てみたいと思います。
yappli(ヤプリ)の2021年第4四半期の全体業績
業績ですが、売上高は約9.4億円で、YoYで37.7%、QoQで13.6%の成長となっております。
また、営業利益は約-2.9億円となっており、営業利益率は来期への成長投資により若干悪化しています。
ARRは、29.3億円に到達し、YoYで33.5%成長となっており、着実に成長を継続しています。
yappli(ヤプリ)の重要な事業KPIは以下のようになっています。
・契約アプリ数:693社(YoY:25.1%成長)
・平均月額利用料:35.1万円(7.6%成長)
どのKPIも堅調に推移していますが、契約アプリ数は693となり、四半期で今年度最多の純増数を記録して、平均月額利用料も継続して増加しています。
yappli(ヤプリ)の重要な事業KPIである、売上に対する費用の比率ですが、マーケ投資額に連動、R&D比率は新プロダクトの開発により微増しており、各数値は以下のようになっています。
・S&M :55.4%
※販売促進に係る広告宣伝費やセールス、マーケティング人員の人件費や関連する経費及び共通費等を合計
・G&A:19.3%
※コーポレート部門の人件費や関連する経費及び共通費等を合計
・R&D:19.5%
※研究開発に係るエンジニアの人件費や関連する経費及び共通費等を合計
yappli(ヤプリ)の重要な事業KPIである、解約率ですが、0.68%となっており、チャーンレートは過去最低の0.6%台を記録していますが、引き続きコロナ禍のため、今後は継続して0.9%程度の水準をベンチマークしていく予定となっています。
yappli(ヤプリ)の2021年第4四半期の事業トピック
yappli(ヤプリ)の事業トピックですが、2021年度はアプリの活用を広げる様々な取り組みを実施しています。
■新CMの放映で、認知を向上
・ノーコードアプリ市場の啓蒙と創出を 目的として、TV、タクシー、YouTube 等の媒体で放映。
■ヤプリ初の書籍を出版(アプリ市場の拡大)
・マーケティング担当者向けのアプリの 入門書を出版し、アプリの活用を促進。
■Yappli Summit 2021を開催(アプリ活用の促進)
・お客様の成功事例の紹介やYappliの 新機能の発表を通じて、新しいビジネスの機会へ繋げる場に。
yappli(ヤプリ)のプロダクト開発のトピックですが、Yappli機能の多数のアップデートに加え、 新製品Yappli CRMのリリースにより成長の基盤を固めています。
■Yappli CRM
・顧客管理、ポイントカード・電子マネ ーの発行等、より高度なアプリマーケ ティング施策を開発不要で実現。
■Data Hub & Dashboard刷新
・バックエンドを刷新し、データ活用が 大幅に進化。
・高度な分析や他サービス との連携、管理画面内ダッシュボード のリニューアルなど、一層のデータド リブンな施策が可能に。
■CMSの多言語化
・管理画面を瞬時に英語に切り替え、 より多くのユーザーがYappliを利用することが可能に。
最近の決算情報から読み取れるyappli(ヤプリ)の戦略についての考察
直近の決算から、yappli(ヤプリ)では上記のように今後の戦略が発表されていますが、さらに深読みをして以下のことが戦略のポイントになると考えられます。
■戦略考察
・全体戦略:現在のターゲット業界の深耕・拡大をしながら、Yappli Ecosystemの構築
まず、現在のターゲット業界の深耕・拡大に関して、ポイントになってくるのは、競合他社よりも使いやすく、機能的に優れ、顧客課題が解決できるプロダクトを作ることと、マーケティングを投下してのシェアの獲得になります。
現在、プロダクトの強化においては、以下の2つの方向性が発表されています。
①API・SDKによる外部サービスとの接続
②データプラットフォームの拡充
さらに、もっと未来の話を考えると、yappli(ヤプリ)を始め、日本のSaaSサービスを展開する企業は今後、自社のメインの領域を軸に近しい事業領域に展開して、1社あたり契約サービス数を拡大させることで、解約されない状態を作ることを目指していく流れになります。
これはかつて大手企業向けERPパッケージソフトでシェアを拡大していったワークスアプリケーションの戦略に近しいものがあります。
その大きな流れの中で、受注率を高め、シェアを拡大するためにはプロダクトの品質を高める方向性として、1つのプロダクトだけで様々な会社の課題を解決できるサービスを展開する方法があります。
さらに、自社のメインの事業領域と近しい領域に進出していくことで、新規の顧客を契約できたり、既存のお客さんに対して、オプション機能として、ひたすらクロスセル提案をして、1社あたりの単価(ARPU)を高めることで、売上を拡大することができるという流れになります。
yappli(ヤプリ)の場合は、アプリ開発・運用・分析をノーコードで提供するアプリプラットフォームを切り口に、マーケティング系ツールや、EC系のツールサービスに展開することを検討しているようです。
しかし、マーケティング系ツールや、EC系のツールサービスもそれぞれ強いプレイヤーは存在しているため、競合よりもよりプロダクトを提供することが必須となってきます。
まとめ
SaaSベンチャー企業のyappli(ヤプリ)の業績・決算についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
転職など自分から環境を変えることは、「面倒臭い」、「気が乗らない」という気持ちはあると思います。
しかし、悶々とした気持ちで働き続けることは、圧倒的に人生の時間を無駄にしているのと、人生のリスクを増やしている行為になるので
やらない後悔よりは、まず行動してみて、行動しながら考える方が生産的になると思います。
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