困っていること、知りたいこと
転職エージェントから、出前館をおすすめされたけど、あまりよく知らない!
フードデリバリーベンチャーの出前館への転職を考えている、興味があるけど、もっと詳しいことを知りたい!
こんな疑問を持っている人のお悩みにお答えします!
今回は、転職市場で人気の高まっているフードデリバリーベンチャーの出前館について知りたい、転職を考えているあなたに、
■本記事の内容
・フードデリバリーベンチャーの出前館の概要
・出前館の2021年度第2四半期の決算情報について(2021年3月)
・出前館の2021年度第3四半期の決算情報について(2021年6月)
・出前館の2021年度第3四半期の決算情報について(2021年10月)
・最近の決算情報から読み取れる出前館の戦略についての考察
を、わかりやすく解説していきたいと思います。
転職活動において、以下のことを把握・理解することは、入社後の活躍だけではなく、面接での印象などを左右する要素でもあるため、非常に重要な要素です。
①会社の現在の業績
②会社の今後の戦略・方針
③会社の事業のビジネスモデル
本記事は、出前館の業績の要点を抜粋して、時系列で決算情報を簡単に確認することができ、今後の戦略も解説しています。
フードデリバリーベンチャー:出前館の概要
出前館概要
出前館は、1996年6月に花蜜 幸伸氏によって、設立され、世界初の出前の仲介サイトとしてサービスはリリースされました。
直近では、出前館は2016年5月にLINEと業務提携&出資を受け、LINEは議決権ベースで21.69%を保有する筆頭株主となっていました。
そして、2020年3月には、LINEが300億円の追加出資をを行なったことで、出前館を実質子会社化し、Uber Eatsなどが存在感を強めるフードデリバリー事業で「圧倒的なNO.1を目指す」と発表され、「LINE デリマ」事業は出前館に統合されることとなりました。
出前館の沿革
出前館の主な会社の沿革は以下のようになっています。
・1999年9月:夢の街創造委員会株式会社を設立
・2000年10月:デリバリー総合サイト「出前館」をオープン
・2004年7月:「モバイル出前館」をオープン
・2006年6月:大阪本社証券取引所ヘラクレスに株式上場
・2010年10月:市場統合により東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に指定替え
・2011年12月:北京市朝陽区に夢創会(北京)商務諮詢有限公司を設立(2014年8月に全株式売却)
・2013年1月:PT Kilk Eat(ジャカルタ)と資本業務提携
・2013年3月:日本フードデリバリー株式会社(持分法適用会社)と資本業務提携
・2013年5月:株式会社薩摩恵比寿堂を子会社化
・2013年7月:ソウル特別市永登浦区に株式会社DeliDeliを設立(2015年1月に解散)
・2014年4月:株式会社NTTドコモと「dデリバリー」サービスに関する業務提携
・2014年12月:株式会社インテックと資本業務提携
・2016年5月:LINE株式会社と「出前館on LINE」(現 LINEデリマ)サービスに関する業務提携
・2016年6月:株式会社デリズを子会社化(2017年4月に全株式売却)
・2016年10月:LINE株式会社と業務資本提携
・2017年10月:加盟店向け受注管理ツール「オーダー管理アプリ」をリリース
・2019年6月:(株)リクルートと業務提携
・2019年11月:株式会社出前館に社名変更
出前館の事業領域やビジネスモデル
出前館のビジネスモデルは、基本的には、以下の4つのポイントがマネタイズポイントとなっています。
■加盟店からのマネタイズ
・出前館サービス利用料:加盟店売上の10%
・配達代行手数料:加盟店売上の25%
・決済手数料:商品代金の数%
■ユーザーからのマネタイズ
・配達代行手数料
そして、出前館では、以下の4つの事業を中心に展開しています。
■展開事業
・出前館事業:全国の出前&デリバリー店にすぐ注文できる、デリバリー総合サイト
・仕入館事業:飲食店向け仕入サービで、デリバリーの必需品をいつでも誰でも小ロット・低価格で購入可能
・通信販売事業(薩摩恵比寿堂):お店のロゴや店名をデザインしたオリジナルラベルを貼付した焼酎・ワイン等のオリジナルボトルの販売、ラベルと同様にオリジナルで作成するドリンクメニュー表やポスター等の販促ツールの提供
・シェアリングデリバリー事業:デリバリー機能を持たないお店でも、『出前館』に加盟する複数店舗で、『出前館』が連携した配達網を利用をシェアすることによりデリバリーが可能になるサービス
出前館の2021年度第2四半期の決算情報
それでは、出前館の2021年度第2四半期の決算情報から見てみたいと思います。
※出前館は、四半期ではなく半期に1度で決算が発表されるため、第2四半期からの決算発表となります。
出前館の2021年度第2四半期の全体業績
業績ですが、売上高は約62.3億円で、YoYで310%成長となっており、営業利益は-51.9億円となっており、大幅に赤字になっております。
各売上の構成は以下のようになっています。
■配達代行手数料
・売上高:30.6億円(YoY:948%成長)
・シェアリングデリバリー配達件数の増加
■出前館サービス利用料
・売上高:26.8億円(YoY:948%成長)
・加盟店舗数・ユーザー数の拡大によるオーダー数の増加
■その他
・売上高:4.8億円(YoY:81%成長)
・飲食店の営業自粛等による通信販売事業の売上減少
出前館の重要なKPIですが、主な指標は以下のようになっています。
・GMV:403億円(178%)
・アクティブユーザー数:582万人(YoY:182%成長)
・加盟店店舗数:5.9万人(YoY:279%成長)
・シェアリングデリバリー世帯カバー率:39%成長
出前館では、TVCMやキャンペーンの実施により認知度が大きく向上しています。
出前館の2021年度第3四半期の決算情報
それでは、上記の前回の決算情報を踏まえて、出前館の2021年度第3四半期の決算情報を見てみたいと思います。
※出前館は、四半期ではなく半期に1度で決算が発表されるため、第2四半期からの決算発表となります。
出前館の2021年度第3四半期の全体業績
業績ですが、売上高は3Qまでで約80.2億円で、YoYで268%成長となっており、営業利益は-45.1億円となっており、大幅に赤字になっております。
各売上の構成は以下のようになっています。
■配達代行手数料
・売上高:46.1億円(YoY:606%成長)
・シェアリングデリバリー配達件数の増加
■出前館サービス利用料
・売上高:29億円(YoY:166%成長)
・加盟店舗数・ユーザー数の拡大によるオーダー数の増加
■その他
・売上高:5.0億円(YoY:106%成長)
・飲食店の営業自粛等による通信販売事業の売上減少
出前館の重要なKPIですが、主な指標は以下のようになっています。
・GMV:428億円(144%)
・アクティブユーザー数:652万人(YoY:176%成長)
・加盟店店舗数:7.4万人(YoY:307%成長)
・シェアリングデリバリー世帯カバー率:49%成長
出前館の2021年度第4四半期の決算情報
それでは、上記の前回の決算情報を踏まえて、出前館の2021年度第4四半期の決算情報を見てみたいと思います。
※出前館は、四半期ではなく半期に1度で決算が発表されるため、第2四半期からの決算発表となります。
出前館の2021年度第4四半期の全体業績
業績ですが、売上高は通期で約105.1億円で、YoYで302%成長となっており、営業利益は-50.8億円となっており、大幅に赤字になっております。
各売上の構成は以下のようになっています。
■配達代行手数料
・売上高:66.6億円(YoY:552%成長)
・シェアリングデリバリー配達件数の増加
■出前館サービス利用料
・売上高:33.6億円(YoY:75%成長)
・加盟店舗数・ユーザー数の拡大によるオーダー数の増加
■その他
・売上高:4.8億円(YoY:-10%成長)
・飲食店の営業自粛等による通信販売事業の売上減少
出前館の重要なKPIですが、主な指標は以下のようになっています。
・GMV:490億円(59%)
・アクティブユーザー数:734万人(YoY:87%成長)
・加盟店店舗数:8.4万人(YoY:156%成長)
・シェアリングデリバリー世帯カバー率:56%成長
出前館のビジネストピックの1つ目としては、Zホールディングスとの連携です。
アスクル、Zホールディングスと協働し、日用品等の即配サービス「PayPayダイレクト by ASKUL」を開始しており、ラストワンマイルの即時配送ニーズを把握し、取扱商品の拡大や他地域・他サービスでの展開を検討しています。
出前館のビジネストピックの2つ目としては、カテゴリの拡大とマネタイズの強化です。
具体的には、フード以外にもカテゴリ拡張を進めつつ、広告や新規事業で収益性の強化を図っていく予定です。
最近の決算情報から読み取れる出前館の戦略についての考察
直近の決算から、出前館では上記のように今後の経営方針・戦略が発表されていますが、さらに深読みをして以下のことが戦略のポイントになると考えられます。
■戦略考察
・全体戦略:新規ユーザーの獲得×デリバリーの使用頻度を最大化させることで、GMVを最大化させる。
現在、出前館が事業を展開するフードデリバリー領域は、IT系のtoC向けサービスの中で競争の激しい成長領域となっています。
出前館の他にも以下のようなサービスが日本で展開しており、2020年を境に外資系企業なども一気に参入しています。
サービス名 | 運営元 | サービス開始日 | 特徴 |
---|---|---|---|
出前館 | 株式会社出前館(日本) | 2000年10月 | ・対応店舗数No1
・LINEデリバリーと統合(LINE資本提携) |
Uber Eats | Uber(米国) | 2016年9月 | ・定額料金の配達システム
・認知度No.1 |
menu | menu株式会社(日本) | 2020年4月 | テイクアウトサービスからデリバリーに拡大 |
楽天デリバリー | 楽天(日本) | 2002年2月 | 楽天ポイント溜まる、使用できる |
fine Dine | ライドオンエクスプレスホールディングス(日本) | 2018年5月 | 高級店多め |
Chompy | 株式会社シン(日本) | 2020年2月 | 個人店への特化、作り手の顔が見えるサービス設計 |
FOODNEKO | Woowa Brothers(韓国) | 2020年12月 | 韓国最大のデリバリーサービス |
Wolt | Wolt Enterprises Oy(フィンランド) | 2020年3月 | ・世界23ヶ国 110都市以上で展開
・大手チェーン店よりも、地域に根付いた有名店が多数ラインナップ |
DiDi Food | DiDi(中国) | 2020年4月 | 関西中心に展開 |
food panda | Delivery Hero SE(ドイツ) | 2020年10月 | レストランに加えて、雑貨や日用品などが25分で自宅に届くサービス作り |
基本的に、フードデリバリーサービスはプロダクトだけでの勝負では差別化は恐らく難しく、資本力やオペレーション能力などの総合戦によって勝負が決まると考えられます。
さらに、その中でも資本を用いての、マーケティング戦略は大事な勝利条件となってくるでしょう。
QRコード決済分野のpaypayが大きくシェアを獲得していったような大胆なマーケティング戦略を行い、具体的な戦術としては、大規模な広告投下やクーポンの発行、ポイントのキャッシュバック等を用いたユーザーの獲得やサービス利用の習慣化、そしてユーザー獲得をフックにした利用加盟店の拡大を行うような、大量資本投下の戦いになると予想されます。
まとめ
フードデリバリーベンチャー企業の出前館の業績・決算についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
転職など自分から環境を変えることは、「面倒臭い」、「気が乗らない」という気持ちはあると思います。
しかし、悶々とした気持ちで働き続けることは、圧倒的に人生の時間を無駄にしているのと、人生のリスクを増やしている行為になるので
やらない後悔よりは、まず行動してみて、行動しながら考える方が生産的になると思います。
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ビジネス職と、エンジニア職にそれぞれにオススメな3社を紹介します
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